第41章 新コーチ
「あとは…片付けかな………って……」
「おい…「小林」って誰かって聞いてんだよ…」
聖知は部誌を書き終わると体育館へと戻ってくる。
自主練の時と同じく自分の父親が笠松に迫っている様子に怒り後ろから近づいていく。
「いや…あんまり…そういうのを…勝手に言うのは…」
「おい…男ならもっとはっきりッ……
いッ…痛えなッ!!…ッ…聖知…」
「そういうのここで聞くの…
止めてって…言ってますよね……」
「ッ…練習終わったんだから…その喋り方やめろよッ…
それより…小林って誰だ!…俺はそんな話…
聞いてねえぞ!」
聖知は、瑛一の背後に立つと部誌で頭を叩く。
瑛一は聖知だとわかると青ざめ…さらに他人行儀のような話し方にショックを隠せずにいて聖知本人に「小林」のことを問いただす。
「……そろそろ体育館閉めますね…もうすぐ職員室も閉まる時間なので。」
「…も…もう…そんな時間か…」
瑛一の話を無視するように、聖知はバスケットボールが入ってるカゴを倉庫に直すと全員外に出て鍵を掛ける。
笠松は時間を見て…おそろおそる瑛一の顔を見ると不機嫌そうに聖知を見つめていた。