第41章 新コーチ
その日から…1週間限定で現役のNBA選手水瀬瑛一がコーチとして就任することが部員全員の前で発表される。
一人一人にあったメニューが作られ…今までの練習内容が変わり…どの部員も練習量がハードなものになり…練習が終わる頃にはいつもの倍全員疲れ切っていた。
ーー部活終了後ーー
「聖知っち〜もう俺…ヘロヘロっすわ…
練習量だけでも…帝光よりマジできついっす…」
「…大丈夫…?
足に負担とかいったりしてない…?」
「聖知ちゃん…俺もひどく疲れてちゃったなぁ…
誰かの手がないと立てそうにない…」
「森山先輩……歩いてるじゃないですか……」
練習が終わり片付けをしている聖知に黄瀬は疲れ切った様子で近づく。
ふと聖知の中で前の練習中に足首を捻った事を思い出し心配すると森山も聖知の近くに座り込み…わざとらしくため息をついて気を引こうとする。
「…………先輩………あれ……なんですか……」
「……?……あぁ…いつもの事だろ?
練習終わったら…
いつもあんな感じだぞ…って…おい…!」
「……いつもって……あんな…男に言い寄られてんのか……」
「お前な…少しは落ち着けって…
部員とのただのコミュニケーションだろ…」
その日の練習が終わると、娘である聖知が他の男から甘えられたり…近づいているのに瑛一はショックが隠せなくてバインダーを落とす。
先輩である監督の武内からいつもの様子について聞くと…耐えきれず近づこうとすると武内が慌てて引き留める。