第41章 新コーチ
「私、もうすぐ時間なので練習の準備してきますね。」
「…え…あぁ……」
30分前になると他の部員やレギュラーや監督も来るため練習がスムーズに行われるように聖知は体育館へと出ていく。
体育館の中…笠松と瑛一の2人きり…
体育館の中に静寂が訪れる。
「おい…笠松……」
「…は…はい…」
「今は休憩中だ…
だからコーチじゃなくて…NAME1#の親として聞く。
簡潔に答えろ。」
「え……な…何を…………」
沈黙を破ったのは瑛一の方だった。
笠松の横に座ると瑛一は指をボキボキ鳴らしながらさっきまでの真剣な表情ではなく不機嫌そうに娘の彼氏に嫉妬する父親の表情を浮かべていた。
「お前…聖知に…変なことしてねえだろうな…」
「………へ…変なことって……」
「……昨日みたいなことだ。本気で「ゴミが入ってたから目を見てもらってた」って話信じると思ったか……」
瑛一はイラついたように指をボキボキ鳴らし続けて今にも発言を間違えれば殴られるかもしれないという状況に笠松は冷汗が出る。