第41章 新コーチ
「ッ……はぁッ…はぁッ……」
「……とりあえず…ここまでだ。」
笠松と瑛一は何度も1on1を繰り返し、何回やっても笠松は抜くことはできず…それどころか瑛一は…全く息を乱していなかった。
聖知はボール拾いをしたり、瑛一にボールを投げるなど補助的なことを行って…練習を見守っていた。
「笠松先輩…大丈夫ですか…?」
「……サンキューな……いや…キツい……キツいけどよ……これくらいしねえと…インターハイで…優勝なんてできねえからな…」
ボールを直しながら聖知はタオルとドリンクを笠松に手渡すと…自主練とは思えないほど疲れているのがわかり……練習がハードでも、不敵に笑む様子を見ると改めて頼もしく感じる。
「9時まで休んでろ……そんな状態で今日のメニューこなせねえだろ…」
「…いや…でも…」
「休むのも1つの練習だ。練習ばっかりすればいいってもんじゃねえ…」
「……わかりました。」
瑛一は笠松の状態と時間を見て部活開始まで残り30分あるということを確認する。
練習は必要だが…オーバワークしてしまうと夕方までもたなくなると判断して休むよう伝えると近くにある椅子へと座る。