第41章 新コーチ
「よし…とりあえず…今までの練習は忘れろ。
当分はこのメニューで練習をやれ。」
「………これ……本気っすか……」
「なんだ……文句あんのか…
若いうちはどんだけ無茶しても平気だ…
安心しろ。」
「……ッ……わかり…ました……」
「まず…1on1でお前の動きを見る。
言っとくがこの間みたいに…
一度でも抜けるなんて甘い考えは捨てろ……
俺も…引き受けた以上…容赦はしねえ…
ついてこれないなら…それまでってことだ。
わかったな…」
瑛一は笠松に今後の練習メニューを提示する。
内容を見た笠松は青ざめ…明らかに今までの練習量の4倍以上に増えている。
こなせるわけねえ…そう思っていると瑛一は冷たく厳格な表情で笠松を見る。
今の瑛一は…決して娘の恋人である笠松に敵意を燃やしてはいなかった。
純粋に水瀬瑛一というプロの選手として…海常高校バスケ部のコーチとして甘えという感情は一切捨て一流の選手に育てる為に真剣な表情で笠松を見下ろしていた。