第39章 看病と真実
「……やれやれ……
また……怒らせてしまいましたね…
おかげで……肝心な話ができませんでした……
まぁ…話ができたとしても…今の信頼値では…
聞く耳を持つとは…思いませんけど……」
笠松と聖知が如月家から出ていくと再び怒らせたことに桐生はため息をつく。
しかし、その様子は後悔や悪いと思ったそぶりは一切なく…誰にも見せた事のない優しい表情を浮かべていた。
桐生は花宮の話だけではなく…お嬢様である聖知に…
ある事実を話そうと思っていた…
その話をするには……
聖知を必ず守ることのできる者…
気持ちに寄り添える存在が…
必要不可欠だった。
「……話はまた…機会を見て…おいおいですね……」
2人が出て行った後…客間を綺麗に清掃しベッドメイキングすると室内から出て行き桐生は自分の職務へと戻っていった。