第39章 看病と真実
「花宮真…
私よりも…1つ上の学年で霧崎第一高校…
バスケ部主将。
試合中にラフプレーを主に…
ゲームを進めるタイプで…
中学の時に試合に当たることがあって……
ラフプレーをやめてほしいと注意したら…
それ以来…嫌がらせというか…
付きまとわれるようになって……
今日みたいに…いきなり現れて…
絡まれるようになったの…」
「また……バスケ部ですか……
…そんなものに…関わるから…
変な男に引っかかるんですよ……」
聖知は深呼吸をすると桐生に花宮の概要から話を始める。かと言って…花宮に今まで何をされてきたのかまでは…絶対に桐生には話すつもりはなかった。
いくら聖知が小さい頃からの付き合いであっても聖知にとって桐生は…祖母に加担して自分から自由を奪い続けていた人間…信頼も信用もない嫌いな相手に話せるはずもなかった…
「そんな言い方しないで…!
だから…話したくなかった…
貴方たちにとって…
…勉強以外は『余計なこと』だものね…」
「……そうですよ…
何を今さら……わかっているなら…
手を煩わせないで下さい…
大人しく勉強だけしていればいいでしょう…?」
「……ッ…」
聖知は、バスケに携わった事は一度も後悔はしていない。バスケを通して知り合った仲間や友達…何より笠松という心から気を許せる恋人に巡り会うことができた。
それをバカにするような言い方をする桐生に聖知は我慢できず声を荒げて言い返す。
聖知は昔から勉強以外何も外出など満足にさせてもらえず…価値観の違いを桐生に問いただすと改めて…
自分の気持ちさえも…未だに…
踏みにじられていることを思い知らされた。