第39章 看病と真実
「……プライベートに…
干渉しないでって言ったはずなんだけど…」
「えぇ…聞きましたが…
…その通りにするとは一言も言ってませんよ…?」
「……聖知……
……話すのが嫌なら…無理に話す必要ねえ……」
聖知は最初にこの屋敷に来た時。見守るという名の監視について3つの最低条件を突きつけたはずにもかかわらず無視して守らなかった桐生を睨みつける。
桐生はクスッと微笑み、自分に非がないことを聖知に伝えると笠松は聖知の手を優しく握る。
笠松には聖知が…
花宮という存在がどれほど恐怖の対象か…
痛いほどわかり…今まで何度も傷つけられた心を再び抉り出すような事はさせたくなかった。
「………いえ……どうせ……
遅かれ早かれ…知らなくていい事まで知られるくらいなら…
話ます……」
聖知は笠松が自分のために気遣ってくれることに嬉しさを感じ…本当は桐生に話をしたくない気持ちではあったものの…
今までの経験からこの男なら……気が済むまでとことん調べるのをわかっており…そんなことをされるくらいなら…自分の口で話す方が幾分かマシな気持ちになっていた。