第39章 看病と真実
ーー如月家 客室ーー
「……まだ目覚めませんね……」
「………洗面所借りるから……」
如月家に戻り笠松先輩をベッドに横にならせて様子を見て未だ目覚めない様子に不安にかられる。笠松先輩を心配して介抱しようと洗面器に水を張りタオルを濡らして絞る。
「…お嬢様……そのような雑事……お嬢様がすべきでは…」
「そんなの関係ないでしょ…」
「……はぁ……私が…やりますから…」
「私のせいで…こうなったんだから……ほっといて。」
桐生が止めようとするのを聞かず濡れたタオルを笠松先輩の額に置いて近くの椅子に座り笠松先輩の様子を心配して見つめる。
私を助けようとして……
笠松先輩がまだ……目を覚まさない…
何か…身体に異常があったら……ッ…
「お嬢様……こんな時ですが……あの花宮という男とは…どういうご関係ですか……?」
「………」
「………まぁ……今はいいでしょう……」
笠松先輩の事が心配で桐生が花宮の事を聞いてもそれどころじゃない。
何も答えない私を見て何かを察したのか桐生は部屋をそっと出ていく。
「………ッ…」
「ッ…笠松先輩ッ…?」
なかなか目覚めない笠松先輩に何度かタオルを変えて見守っているとピクっと指が動いてゆっくり目を開いて意識が戻った。