第8章 信じろ
「なんでって顔してんな?俺がなんでここにいたかそんなに不思議か?」
「………」
「俺に閉じ込められたお前はまず、一階に逃げ込むのはありえねえ。なぜなら罠があるかもしれない。俺がいるかもしれない。ましてやこのビルは5階建の建物。2階はほとんどボロボロで瓦礫も多い。ならお前が向かった先は3階から5階。出口はない。となれば逃げ出す方法は窓。でも、この高さじゃ降りれない。」
すべて花宮の言う通り心を見透かされたように言われる。
ましてや今、閉じ込めらた状況…どうすれば…
「そこでお前は何か使える道具がないかとこのリネン室にやってくる。あとは待ち伏せして施錠すれば袋のネズミだ。」
「……!」
「フハッ…相変わらず馬鹿な女だな?予想通りに動いてくれるから簡単だったぜ?」
「……最低…」
「ぁ?」
「こんなことして楽しい?馬鹿じゃないのッ…なんでそこまで私に構うのッ…」
「ハッ楽しいぜ?苦痛に歪んだその表情とか最高だぜ?…なんで構うかって聞いたか?」
最初から花宮の計算の上で動いてたと思うと腹立たしくなった。
許せないッ…まだ何か逃げる方法があるはずッ…
頭の中で思考を働かせていると花宮は私の方へ近づいて来た。
「お前が、俺の玩具だからだ。」