第38章 リベンジと初仕事
「やれよッ……やりたきゃやれ……だが……聖知には手を出すな…」
「ッ…だッ…だめッ…!」
笠松先輩に腕の中でギュッと強く抱きしめられ、花宮に無防備に背中を見せる。腕の中から抜け出そうとしてもさらに胸板にギュッと抱きしめられ絶対に離そうとはしてくれなかった。
「なら…望み通りにしてやるよッ…!」
花宮が再び笠松先輩にスタンガンを食らわせようとした瞬間…
「やれやれ……ガキの喧嘩に大人が…
介入したくはなかったのですが………」
「ッ…!……なんだ…お前……」
スタンガンを持っている手をペンギンの被り物で顔を隠している燕尾服の男が片手で止めていて花宮だけではなく笠松先輩も私も驚き沈黙してしまった。
「私は…通りすがりの正義の味方のペンギンさんです。これは物騒なので貰っておきますね。」
「おい……お前ッ…!?」
「あぁ……お友達なら少しお休みしていただきました…。子供相手に大人気ないかと思いましたが……度を越してるガキにはこれくらいが丁度いいですね。」
花宮が後ろを向くと仲間の2人はいつの間にか気絶していて倒れていた。よく見ると寝息やイビキが聞こえてくる。