第38章 リベンジと初仕事
「聖知…とりあえず…ここを出る…
全速力で走るが…頑張ってついてきてくれ…」
「…わかりました。」
手を繋ぎながら近場の西口ゲートではなく少し離れた東口ゲートまで笠松先輩と走り出した。
「ッ……」
「………」
笠松先輩は練習以上に早く走っていき東口はモールの裏面側のため人通りが少なく東口を出る。
モールから抜けると安心した瞬間それは突然起きた。
「ッ……!」
「聖知ッ…!ッ…ぐッ…!…ッ…」
後ろから片手で抱きしめるように捕えられて笠松先輩と手を離してしまい、すぐに気づいた笠松先輩は振り返って手を伸ばす。
その背後に花宮がいて笠松先輩にスタンガンを当てて首を押さえながら笠松先輩は倒れてしまった。
「ッ…笠松先輩…ッ…!?」
「ほんと単純……久しぶり…聖知ちゃん…」
「ッ…離してッ…!」
「安心しろ…死にやしねえよ……
まぁ…これくらいで気絶するとはな…
だせえなぁ…」
倒れたまま…ピクリとも動かなくなった笠松先輩…
すぐに側に駆けつけようとすると前に拉致されそうになった男に力で押さえつけられ抵抗しても全く動けず花宮の放った一言に卑怯なやり方に怒りを覚えて睨みつける。