第38章 リベンジと初仕事
「…もう逃げねえのか……前の方が威勢良かったが…今日はやけに静かだな…」
「ッ……」
逃げる機会を伺っていると進行を邪魔するように壁に手をついて近づき睨みつけると背後から声が聞こえる。
「あの…何か…情報管理室の順番待ちをされていますか…?」
警備員と思わしき人が現れて花宮もその人に気を取られてその隙に逃げ出そうとして走り出した。
「いえ…知り合いが出てくるのを待っているので大丈夫です。」
花宮が応対している間に走り出したが強い力で腕を掴まれて逃がさないように力を込めて振り解こうとしても無駄に終わり警備員は情報管理室へと入りいなくなってしまった。
「逃げれると思ったか…?
逃がさねえよ…
今からイイ所に…連れてってやるよ…」
「いやッ…離してッ…!」
「往生際が悪ッ……!」
「ッ…!………ッ…」
腕を強く掴まれたまま私の首を締めるように掴んで壁に押し付けられてキスされそうなくらい顔が近付いてくると足で無意識に相手の急所を蹴ってしまった←
怯んだ隙にその場から走り去り、どこに行ったらいいのか…わからないままバレそうにない場所まで止まらずに走り続けた。
「………あのクソ女………ここまで俺をイラつかせる女は…初めてだ……ズタボロじゃ足りねえ……必ず服従させてやる…」
聖知が去ってからゆらりと立ち上がると拳で壁を殴りイラついたように目を血走らせ瞳からは氷のように冷たく鋭く光らせ獲物を追うようにその場から花宮も離れて行った。