第38章 リベンジと初仕事
ーー笠松先輩が情報管理室に入室後ーー
やっぱり…何か忘れ物したのかな……
出てくるまで備え付けのソファへと座りスマホを触り笠松先輩が出てくるのを待っていると私以外誰もいない通路にコツコツと歩く音が鳴り響く。
ふと視線を音のする方に目を向けると…無意識にスマホを握る手が強くなり勝手に身体が震えてくる感じがする。
「ッ……な…んで……」
「久しぶりだな……聖知ちゃん……」
目の前に花宮真がいてだんだん私の方へと近づくにつれて冷や汗がかいてこの間拉致されそうになったせいか言葉を発したいのにうまく声がなぜか出せない。
「ッ……それ以上……近づかないで…」
「ハッ…よく聞こえなぁ……俺と一緒に…来てもらうおうか……」
「ッ……!」
「逃げるには…俺を通り過ぎねえと…出口がないからなぁ……諦めろ。」
やっと口から出て言っても相手は構わずに近づいてきて近づくたびに後ろに下がると私の背後は壁で行き止まりになっていて私を追い込むように花宮が迫ってくる。