第37章 如月家
「約束は今後も守る…で…話したかったことってこれだけ…?」
「他にもありますが…これ以上言うと笠松様に噛みつかれかねませんので今はやめておきましょう…」
桐生はクスクス笑っていて笠松先輩の顔はイラついて今にもキレそうな顔をしている。ここまで私のことで怒ってくれていることに嬉しい気持ちになるが表情には出さずに心のうちに留めた。
「…じゃあ…私からは3つ言いたいことがある。」
「おや…なんですか…?」
「1つは、緊急時以外私に話しかけないこと。
2つは、私と貴方の関係性を他言しないこと。
3つは、プライベートを覗き見、聞き耳立てないこと。」
今後、見守るという名の監視する相手に最低限の条件を突きつける。
条件を聞くと桐生はおかしそうにクスッと笑う。
「これは…ずいぶんと…変わりなく私はお嬢様に嫌われているみたいですね。」
「みたいじゃなくて…嫌ってるの。」
「私は、お嬢様のことは嫌いではないですよ…手のかかるガキではありますが、からかいがいがあって…無様に…私の加虐信を満たしてくれますから。」
そう言う桐生は、冷たく笑みクスクスと笑っていると笠松先輩はギロっと睨みつけているのが横目で見える。
「そう…貴方の性格は捻り曲がって修復不可能ってことがよくわかった…言いたいことはそれだけ……笠松先輩……帰りましょう…」
「あぁ……」
「おや…もうお帰りですか……では今後は陰ながらお守りしますね…」
「……お守りじゃなくて…監視でしょ……」
屋敷を出る前に桐生を睨みつけながら言うと笠松先輩と一緒に如月家を出ていく。