第37章 如月家
ーー笠松視点ーー
屋敷に着くと愕然とした。
本当に日本か…と言うくらい豪邸がそびえ立っているのを見て息を呑む。
「……どうかしました……?」
「いや…すげえなって思って……本とかテレビとかでしか…見たことねえからびっくりした…」
「……まあ…確かに…日本の建物って感じではないですよね…」
「ここで…暮らしていたのか…?」
「はい……今から会いにいく桐生と2人で……」
俺が考えている上に…聖知はこんな広い屋敷でずっと1人で耐えてきたんだと思うと…それには並大抵の忍耐や気持ちだけでは乗り切れなかったことが改めてわかる…
桐生がどう言う考えを持っているかわからなかったが意を決して聖知と一緒に門の所へ歩いていくと聖知が手をかざすと手を読み取るようにセンサーが働き門が開錠される。
「………変ですね……いつもならここに……」
門が開くとイングリッシュガーデンが目の前に広がっており、聖知はキョロキョロと庭を見渡しながら豪邸の方へ歩いていく。
聖知がドアを徐に開けると目の前には現実とは思えない信じられない光景が広がっていた。
目の前の広い玄関ホールで燕尾服を着た男が1人血を流して倒れていた。
それは前に学校で見た臨時教師と同じ顔で初めての見る光景に血の気が引くのを感じた。
ーー笠松視点終了ーー