第37章 如月家
ーー桐生視点ーー
ーー如月家 執事室ーー
「……もしもし…」
「………おや……お嬢様…3年ぶりですね。
私に近づくなとご命令をしたにも関わらず…
平気で電話をかけて来られる…
お嬢様の神経の図太さは感服致します。
しかし…本当にガキが3年も音沙汰なしでいるとは…
よほどこの屋敷がお嫌いだったようですね。
それで今日はいかがなさいましたか…?
再び鳥籠に戻りたいと言うのなら…
喜んでお迎えに上がりますよ?」
執事室の電話が鳴り響き受話器を取ると3年ぶりにお嬢様から電話がかかってきました。
まぁ…私は前に高校で顔を合わしていますが……
私が話終わるとお嬢様の呆れた声が聞こえクスッと笑う。
「………3年も会っていないのによく次から次へとそういう言葉がでるわね……。今日…そっちに行く…それだけ伝えたかっただけ。」
「…そうですか。では…おもてなしを用意してお待ちしてます…」
「…いらない。話終わったらすぐ帰るから。…じゃあ…」
そう言われてすぐに電話を切られる。
やれやれ……
電話の声は前屋敷にいた頃とあまり変わらないご様子でしたが……
久しぶりに…からかってみましょうか…
お嬢様が来るため取り掛かっていた仕事を中断して迎えるための準備を始める。この3年どのように変わられたか会うのが楽しみで「さて…どうやって苛めましょうか」と冷たくほくそ笑み玄関ホールへと歩いて行く。
ーー桐生視点終了ーー