第36章 ヤキモチと癒やし※
ーー笠松視点ーー
部活が終わって聖知との帰り道。
昨日は聖知が泊まりにくるって事で半分浮かれていた…だが……今の俺の感情は今だにイライラして聖知から話しかけるまでずっと無言状態で歩いていた。
聖知を口説かれているだけでなく、触れられると俺の中の独占欲が抑えきれず嫉妬してしまい聖知が話しかけてきたことに対してもいつもよりそっけない返事で返した。
俺の負の感情に全然気づいていない聖知に独占欲と嫉妬心の気持ちをぶつけるように…気づいたら聖知を部屋に連れ込んで押し倒していた。
嫉妬心や独占欲が沸騰するように頭の中を覆いつくし、聖知の声も耳に入ってなくて両肩を強く掴み欲望のまま気持ちをぶつけるようにキスをして聖知が身体を震わせて泣いているのを見てようやく自分がやっていることに思考が働いた。
「Σッ…ッ…わッ…悪い…ッ…どうかしてた…ッ…」
俺………何やってんだッ……
無理矢理………こんなッ……
自分がやってしまったことに後悔して慌てて聖知から退いて抱き起こしも遅かった…聖知の肩に再び触れると俺を見る目が怖がっている表情を浮かべていて視線を逸らして震えていた。
こんなことするつもりなんてなかった…
…もっと…大事に…ッ……
「ッ……ッ……私…帰りますッ……」
聖知を泣かせてしまい怯えさせてしまったショックだったが…このまま離れることだけは避けたいと思い慌てて聖知を引き止めた。
「待てよッ…ッ…悪いッ…ホントにッ……無理矢理……して悪かった……少し……話さねえか…?」
慌てていて強く腕を掴んでしまうと俺にも伝わるくらいビクッと再び怯えさせてしまった。
聖知に優しく接したいのに自分が怖がらせたり怯えさせてることに腹が立ち、なるべく優しく謝り冷静に話がしたくて聖知に伝えると小さく返事をして再びベッドに座ってくれたものの視線を逸らされていた。
ーー笠松視点終了ーー