第36章 ヤキモチと癒やし※
ーー笠松視点ーー
「はぁ……笠松のせいで俺まで怒られただろ…昼休みあと10分で終わるし……」
「…お前のせいだろッ…でも…これで相手にされてない事がわかっただろッ…聖知には近づくな…」
「んー
俺…一度狙った獲物は…逃がさないって決めてるから……落ちるまで諦めないよ。それに…簡単に落ちない女って…初めてだし…面白そうじゃ…」
「…いいか……マジで聖知に手を出してみろ…承知しねえぞ!」
外で教師2人からガミガミと「上級生の自覚を持て」だのモラルがどうのこうの長い説教が続き解放されたのは昼休み終了10分前だった。
あんだけ聖知が断っているにも関わらず、今だに諦めていない小林を睨みつけ拳を強く握りしめる。
「面白そう」という言葉を聞いて、ブチ切れ、相手の胸ぐらを掴み今にも殺しそうな勢いで自分でも驚くぐらいドスの効いた声で小林を怒鳴りつけた。
「……笠松…お前…相当聖知ちゃんに惚れ込んでんな…。俺…そういう奴から略奪すんのが1番楽しいんだよ…」
「ッ…お前…ッ…」
「はぁ……授業始まるから行くわ……聖知ちゃんによろしくな。」
そういうと小林は不敵な笑みを浮かべてその場から去って行った。
俺は、拳を握りしめてイライラしていると後ろから聖知の声が聞こえた。
「笠松先輩…?」
「Σッ…聖知ッ……い…いつからいたんだッ…」
「ついさっきですけど……それより、森山先輩に聞きました……。助けてくれてありがとうございます。私のせいで怒られてちゃいましたよね……」
「ッ……別にッ…そんなことにより…あいつにッ…ッ…そのッ……ッ…今日…夜話すッ…もう予鈴なるから…聖知も早く戻れよッ…じゃあな…」
「え…は…はい…」
俺は会話を聞かれたのかと思いさっき来たと聞いて安堵し、聖知に小林が言っていた事や髪にキスされてた話を持ち出そうとするが上手く言葉に出来ず、その場から逃げるように教室に戻って歩き出した。