第36章 ヤキモチと癒やし※
ーー笠松視点ーー
早足で図書館へ向かい館内へ入ると小林はまだ来ていないようだった。
普段、あまり図書館に来ない俺は館内の構図がわからず辺りを見渡すと受付に座ってる聖知を見つけた。
受付で本を何冊か取ると立ち上がり、本棚へ本を戻している様子が見える。
小林が来る前に声かけた方いいか…?
いや…でも…図書館だし…静かにしねえと…ダメか…
あんま人もいねえし……って…
ッ…なんで俺がコソコソしねえといけねえんだよッ…
そう思っていると今1番聞きたくない声が館内に聞こえてきた。
「ねえ……君…1年生の水瀬聖知ちゃんでしょ…?」
「……?……そうですけど……」
「俺のこと知ってるよね…?…本当は、俺からこういうこと言うのすごくレアなんだけど……俺の女になってよ…退屈はさせないよ?」
いつの間にか小林が聖知の近くにいて本棚に手をついて顔が近くなるくらい接近していた。おまけに聖知の髪に触れてそのまま髪にキスをしている様子にブチギレてゆっくり2人に近づいた。
「(小声)笠松ッ…落ち着けッ…ここでキレて大声出したらたらつまみ出されるぞ。」
「うるせえッ…邪魔すんじゃねえよッ…」
「ほら………アレ…」
「ッ………」
俺が2人に近づこうとすると森山に肩を掴まれ止められる。森山が指を指した方を見ると館内を巡回している教員がいた。
フリースペースコーナで大きな声でおしゃべりしている生徒がいると注意をされ、止めなければ学年主任の三島という教師が出てきて館内から追い出されて外で説教されている様子が見える。
あんな女たらしみたいな奴を聖知に近づけたくなくて追い出されて説教されてもいいと思い近づこうとすると聖知の声が聞こえた。
「…あの……どなたですか……?
私、付き合っている人がいるので結構です。」
「ッ…///」
聖知は小林の手を退かせて相手にしないで本を戻している様子が見え「付き合っている人」と言われているだけなのに自然と顔が熱くなる。