第36章 ヤキモチと癒やし※
「おいおい…小林…聖知ちゃん自身の気持ちが1番大切なんじゃないか…?」
「森山…お前…」
森山は小林の言動にため息をつきふざけた様子はなく真剣な面持ちで話だし、俺も小林も視線は森山に集まる。
「聖知ちゃんが1番好きなのは………俺だろ…?」
「ッ…!…なんで…そうなるんだよッ…!」
「いや…だって今日もアタックしたら照れて逃げていったぞ?」
「ッ…引いてんだよッ!ていうか俺が付き合ってるって知ってるくせにに毎回口説いてんじゃねえッ!」
真面目に聞くと相変わらずふざけたこと抜かしやがってッ…!俺は小林を離してイラつきながら森山をシバいた。
今日の朝練も休憩中に森山は聖知に何か話しかけていたかと思うと、聖知の顔は若干引きつったかのような苦笑いを浮かべていた。
後で聞くと、「運命」だの「未来から結ばれていた」だの言われていたのを聞いて1回締めねえといけねえなと思ってはいたが…どういう思考回路してんだッ…
「馬鹿らしい……俺は好きなようにするからな……」
俺と森山のやりとりを見て小林はため息をつき教室から出ていく。
「おいッ…どこにッ…」
「図書館に決まってんだろ?…まぁ…楽しみにしてろよ。」
「ッ……」
「笠松…見にいってみないか…聖知ちゃんがどんな反応するか気になるだろ?」
小林はニヤッと笑うと図書館へと向かっていき俺は拳を握りしめて教室で佇んでいると森山は図書館に行きたそうにそわそわしている。
「俺は…聖知を信じてる……聖知は小林なんか相手にしねえよ………」
「じゃあ行かないのか…?…そうか……なら…俺にもチャンスがあるかもしれないな…小林とどっちが聖知ちゃんを口説けるか…」
「ッ…!!……誰も行かないなんか言ってねえ……いい加減毎回毎回口説いてんじゃねえよッ!」
森山の言葉に席を立ち森山の制止を聞かずに俺は早足に図書館へと向かった。
ーー笠松視点終了ーー