第36章 ヤキモチと癒やし※
ーー海常高校 昼休みーー
ーー笠松視点ーー
「ん…笠松……今日は聖知ちゃんは一緒じゃないのか?」
「…今日は図書委員で…図書館の昼当番当たってるんだとよ…」
「そうか…そうか…なら…寂しがってる笠松を俺が慰めてやろう。」
「Σッ…あ゛⁉︎…寂しッ…がってなんかねえよッ!」
朝練終わりの時に昼当番が当たっていると聞き内心、昼休み一緒に過ごせないのが残念だったが委員なら仕方ねえと思うようにしていた。
教室の自席でパンを食べていると、森山が珍しそうに近づいて1人だとわかると自分の椅子を近づけて寂しがってるって言葉にイラっとくる。
「ふーん……寂しくないんだ……じゃあ…笠松と付き合ってる彼女…聖知ちゃんだっけ…?……俺がもらってもいい…?」
さらに聞き捨てならねえ台詞が聞こえると血管が浮き出るくらい青筋立て苛つき俺の机の前で黄瀬よりもさらにチャラチャラしてる同じクラスメイトの小林賢治がニヤついた表情を浮かべていた。
海常高校サッカー部主将。
全国大会に何度も出場し、特に今年は優勝確実と言われるほど強く他校からも偵察が来るほど圧倒的実力を兼ね備えているプレイヤーだ。
だが、控えめに言っても、本人は性格は最悪、不真面目、特に女好きで有名で、交際中の恋人同士だろうが自分が気に入った女を手当たり次第に手を出しては捨てて遊んでいる事で校内では有名な話だ。
「…寂しくないんだろ……あんなに可愛いのに……入学した時から…ずっと狙ってたんだよ…彼女が俺に惚れても文句言うなよ?」
「おい…聖知に手を出すな…あいつはお前なんかが触れていい女じゃねえ…!」
「自信がねえのか…?…まあ…俺くらいのルックスだと…落ちない女はいないからな……」
俺は席を立ち小林の胸ぐらを掴んで威嚇するとその言葉に動じずヘラヘラ笑っている。聖知はこんな奴の言葉で動じるはずねえと思ってるが余計に絶対近づけたくねえ…と思い言い返そうとした時…森山が言葉を発した。