第7章 花宮 真
「いっ…たっ…」
どこに連れていかれるかわからないまま引っ張られるように連れていかれると花宮は私を古びた廃ビル人気のない場所まで連れてきて壁に放り投げ頭が当たって痛い。
「ここなら誰も来ない、いくら中叫んでも助けは来ねえなぁ…」
「…近づかないでっ…」
「ハッ…いいぜ?泣き叫ぼうが喚こうがお前の自由だ。」
花宮は冷たい笑みを浮かべて私に近づいてくる。さっきよりも彼の目にはオモチャを見つけたような表情ではなく獲物をどう狩るか見定めている獣のような目つきだった。
「っ……」
「ハッ…逃げれると思ってんのか…まあいい。1分時間をやる。精々俺に捕まらないように逃げるんだな。さしずめリアル脱出ゲームってことか…」
私はここがどこだかわからずとにかく花宮から逃げる事を先決にその場から走って逃げた。
とにかく助けを呼ばないと…
でも、花宮の言う通りここで叫んでもだれも来ないのは明白だ。
怖い…でも捕まった時はもっと怖い…
走って逃げる途中震えだす身体を押さえて助けを呼ぼうと携帯を確認するとさつきちゃんから何回も着信が入っていた。電波は微弱だが繋がるようだった。
私はさつきちゃんに電話をかけながら隠れられる場所を探した。