第7章 花宮 真
「どうも。」
「どうもじゃねえだろ?座れ。」
「結構です。…失礼しま「お客様、お連れ様ですか?」
「はい。そうなんです。道に迷ってたみたいで…ご迷惑おかけしました。」
「ちがッ…私は…「座れ。」
花宮は私を見るとオモチャを見つけたように笑みを浮かべていた。店員が私を花宮さんの知り合いだと勘違いした。
すかさず花宮は猫をかぶるように作り笑いで店員に笑いかけて私を止まらせようとする。
私が言うのが早いか花宮が言うのが早いか私にしか聞こえない声で腕を掴み「座れ」と一言言い半ば強制的に座らされた。
「……何か用ですか?」
「フハッ…何もねえよ。退屈してたんだよ。ちょうどいいオモチャがやってきてくれて助かったぜ。」
「……用がそれだけなら失礼しま…ッ…」
「お前……俺が怖いだろ?」
案の定馬鹿にされる態度を取られ立ち上がろうとすると手首を掴まれる。
「離して下さい。」
「……一年前の全中…」
「ッ……」
「なんなら思いださせてやろうか…?」
「………」
私は一年前の事を思い出して自分でも我を忘れるくらい花宮に水をかけていた。
「最低ッ…ふざけないでっ!」
「ッ…てめぇ…いい度胸してんなぁ?来い。」
花宮はそう言うと私の手首を強く握り引っ張るように喫茶店を出る。