第34章 信頼の大きさ
ーー笠松視点ーー
ーー朝5時 海の公園ーー
朝練が休みのため近くにあるストリートバスケコートで自主練をしていた。
広い公園で日中は人も多いが、早朝は人も少ないため練習がない日などはよくここに来て練習している。
3Pの練習をしていると外してしまいそのボールを誰かが上手い具合にキャッチした。それは……昨日…ずっと俺を睨みつけていた聖知の父親、海常高校のOB瑛一さんだった。
「なんだ……本当に…いるとはな……今日は朝練は休みか…?」
「……はい…なぜ……ここに……」
「いや…懐かしくてな……体育館使えない時は、俺もここで練習に来てたから……まさか…お前がいるとは…思わなかったけどな………聖知から…聞いた……お前の事…色々とな……」
「………色々って……」
「とりあえず……聖知の親として…言いてえことが2つある。」
「…………」
瑛一さんは、ボールを回したりして遊びながら話しして俺にボールを投げると急に真剣な表現の顔つきになり昨日みたいに「別れろ」と言われるのかと思い、何を言われても反論するつもりで身構えていた。
「……ありがとな………」
「………え…?」
「……なんだ……俺がまた…別れろと言うとでも思ったか?」
「………いや……」
俺は、いきなりお礼を言われると思わず驚いた。
俺の気持ちを察して瑛一さんに確信を突かれると視線をそらし苦笑いを浮かべる。