第34章 信頼の大きさ
ーー瑛一視点ーー
聖知とご飯を食べ終わってから久しぶりに親子3人で雑談した。こんなに話せる日が来るとは思わず澄香が言っていた「笠松君が聖知を変えてくれた」ていうのが少しわかった気がする。
聖知をマンションまで送ってから澄香とホテルまで向かって車を走らせた。
「…無事、聖知と仲直りできて良かったわね…?……その様子なら…聖知ときちんと話もできたようね。」
「……あぁ……澄香が言ってた事が…わかった……。聖知は……強くなったな……」
「強くなったのは、笠松君のおかげだと思うわ……それに…カッコいいし…聖知が好きになるのもすごく良くわかる。」
「……おい…言っとくが……俺は…聖知があいつと付き合うのは認めてねえからな……」
「……意地っ張りね……悪い子じゃないのはとっくにわかってるでしょ?真面目で優しくて良い子じゃない……」
「……うるせぇ…」
車内で聖知の事を話していると聖知と付き合っている笠松の話になり妻である澄香も「カッコいい」だの言い出してイライラする。
聖知を大切にしてくれているのは認めるし、聖知をここまで支えて変えてくれたのは悔しいが…感謝している……だが…やはり……
娘が他の男に心を許していると思うと…面白くねえ…
簡単には認めねえよ……だが……別れろとはもう言わねえ……
俺なりに本当に娘を任せていいのか…試してやる……
ーー瑛一視点終了ーー