第34章 信頼の大きさ
「……もう…怒ってないよ……正直…ショックだったけど……今まで話してこなかったのは事実だし……」
「……話して…くれないか……なんで……急に…聖知が…自分の話をしようと思ったんだ……」
「………ちゃんと最後まで聞いてくれるなら……話すよ……」
「ぁあ…聞く……」
お父さんは再びベンチに座ると、私はお母さんに話をした内容と同じ事を話した。私がこうして自分の話ができるのは笠松先輩が支えてくれたおかげで、人に頼ることの大切さや自分を犠牲にして我慢することへの間違った考えを正してくれて支えてくれた事。
私は笠松先輩を信頼してアメリカでの生活の事、如月家の話をした事を伝えるとお父さんは目を伏せ何かを考えていた。
「笠松先輩に話したら…
現状のままでは…
…何も変わらないって言われちゃったの…
家を出て…一人暮らしをしても…一時的なもの…
嫌な事は…嫌って言えって……」
「…………」
「私…そう言われて……
…今まで、お母さん、お父さんと…
まともに話さず問題から…
ただ逃げていたんだって思って…
これからはちゃんと…
話とかしたいって思ってる………
笠松先輩は…もう1人で戦うなって言ってくれて…
一緒に支えて戦ってくれるって…
約束してくれたの……
お祖母様のことも…逃げるんじゃなくて…
ちゃんとこれからは向き合っていきたい…
難しくても…話し合いで解決したいの…」
「………そうか……なるほどな………
強くなったな……聖知……
どおりで……連れていけないわけ……か…」
お父さんは話を最後まで聞くと吹っ切れたように笑い私の頭を優しく撫でる。前みたいに頭ごなしに怒る様子はなく少しは笠松先輩の事を認めてくれたのだろうかと思っていると「お母さん待たせてるし…そろそろ…戻るか…」と言い
一緒にお母さんの待つ車へと一緒に戻る。