第34章 信頼の大きさ
「私……アメリカには帰りたくない……今…好きな人がいて…その人のそばにいたいの。」
「聞いたわ…お父さんとそれで喧嘩になったって……付き合って1ヶ月って聞いたけど…そんなに好きなの…?」
「確かに…付き合っている期間は1ヶ月だけど…私が中学生の時から…知り合ってて…」
私は、まずアメリカに行かないこと、笠松先輩のそばにいたい事を話を始める。笠松先輩との出会いの話から話し始めるとお母さんは黙って話を聞いてくれた。
「私は…笠松先輩から……
1人で悩まずに他の人に頼ることや…
自分を犠牲にして…
我慢することの間違った考え方とか…
正してくれて……たくさん支えてもらってる……
今こうやって…自分の話ができるのは……
笠松先輩のおかげだと思ってるの……
だから……私は………
アメリカでの生活の話もした…」
「ッ……!」
「如月家の家のこと…アメリカでの生活のこと…
すべて話したの…そしたら…笠松先輩に…
現状のままでは…
何も変わらないって言われちゃった…
家を出て…一人暮らしをしても…一時的なもの…
嫌な事は…嫌って言えって……」
「…………」
「私…そう言われて……
今まで、お母さん、お父さんと…
まともに話さず問題から…
ただ逃げていたんだって思って…
これからはちゃんと…
話とかしたいって思ってる………
笠松先輩は…もう1人で戦うなって言ってくれて…
一緒に支えて戦ってくれるって…
約束してくれたの……
お祖母様のことも…逃げるんじゃなくて…
ちゃんとこれからは向き合っていきたい…
難しくても…話し合いで解決したいの…
だから…私はアメリカに帰らない…
…笠松先輩と別れない。」
私は、初めて自分の気持ちを母に話しした。
子供だと思われても、どんな理由があっても笠松先輩と離れたくないことを説明すると黙って話を聞いていたお母さんは口を開いた。