第34章 信頼の大きさ
ーー聖知の部屋 15時頃ーー
私は学校が終わり笠松先輩と別れて落ち着かないまま家へと帰ってきた。
17時に話をするって言ってたけど本当に父はわかってくれるんだろうか……
私の時は、全く話を聞いてくれなくて……
もし…笠松先輩に酷い事を言ってたらどうしようと思い…時計をチラチラ見て心がざわついていた。
その最中、部屋の呼び鈴が鳴り私はそっと扉を開く。
「聖知……久しぶり…3ヶ月ぶりね…」
「…お…お母さん……?」
アメリカにいるはずの母が目の前にいて驚いていると「お邪魔しまーす」と部屋に上がり込む。
「どうして…お母さんが………」
「何……?…会いたくなかったの…?」
「そ…そんなことない…けど……私を…連れ戻しにきた…の…?」
いきなりの母の訪問…本当にアメリカに帰らないといけないのかと思い身体が勝手に震え出していると母が肩に優しく手を置いた。
「聖知……そんな顔しないで……そのために来たんじゃないから。実は、お父さんから電話があって…聖知と喧嘩したーって泣きながら電話かけてきたのよ。」
「……は……?」
「お父さん、聖知にはずみとはいえ…酷いこと言ってしまったって後悔してたわよ……」
「………いいよ……もう……私が悪いんでしょ……」
「…お父さん…本気で聖知に言ったんじゃないのよ……それだけは…わかってあげて……」
「わかった…………お母さん…お父さんは聞いてくれなかったけど……私の話聞いてくれる…?」
「もちろん……そのためにここに来たんだから…ゆっくりお話ししましょう。」
母はテーブルの近くに座り優しく微笑んでくれて、私も近くに座ると自分の気持ちを少しづつ話し始めた。