第34章 信頼の大きさ
あれから…1時間……
話し合いはどうなったんだろう……
お母さんはここで待ってるように言われたけど……
やっぱり今からでも行くべきだろうか……
そう思っていると……部屋の呼び鈴が鳴りゆっくり扉を開けると…
笠松先輩がいてすぐにギュッと抱きしめられる。
「……ッ笠松先輩ッ…?…話は…終わったんですか?」
「聖知…話は…上手くいった。」
「え…?」
「詳しく話す…とりあえず…アメリカに帰ることも…別れることも無くなった……。」
「本当……ですか……?」
「あぁ……実は…」
笠松先輩にしばらく抱きしめられると、別れることもアメリカに行くことも無くなったと聞いて安堵する。どんな話し合いでそうなったのかわからないまま笠松先輩は部屋に入りゆっくり説明をしてくれた。
「そうですか……お母さんが……ごめんなさい…お父さんがひどい事ばかり言って……」
「まぁ……正直…ちょっと怖かったけど…な…。でも……聖知の事が本当に心配だから俺には厳しく当たっていたんだと俺は思う…。だから…聖知もちゃんと瑛一さんと話しろよ…」
「…はい…正直…今の話聞いて、顔も見たくありませんけど……話は…します……。」
「俺は気にしてねえから…普通に接しろ…それより…聞いていいか…?聖知の…その…澄香さんが言ってたんだけどよ……」
(聖知をここまで変えてくれたのは笠松君のおかげだと私は思ってるわ。聖知の話を聞いてそう確信したの。)
「え……お…お母さんが…そう言ったんですかッ…///」
「あぁ…話って……何話したんだよ…」
「えッ……そ…それは……い…色々…ですッ…///」
「色々ってなんだよ……」
「は…恥ずかしいから…言いたくないですッ……///」
「ダメだ……言え……聞くまで帰らねえ…」
「ッ……わかりました……わ……笑わないでくださいね…」
「笑わねえから…早く言えよ……」
母が15時頃私の部屋に来て話をした。
どうしても私は笠松先輩と離れたくなくて今までの自分の気持ちや心境の変化について包み隠さず全て話をした。
それは今から遡ること3時間前……