第34章 信頼の大きさ
「ッ…澄香…!…なんで…お前がここにッ…!」
「昨日電話した時から飛行機に乗って日本に向かってたのよ……貴方1人じゃもっとややこしくなりそうだから……場所は聖知から聞いたわ…。さっきから聞いてたけど…子供相手に恥ずかしくないの…?」
「は……?……何も恥ずかしいこと言ってねえだろ…」
「人が話をしているときはきちんと聞きなさいよ。頭ごなしに責めてもダメって昨日言ったばかりでしょ……えっと……笠松君…だったわよね…ごめんなさいね……この人聖知が絡むとすぐ口が悪くなって…」
「ッ……えと……」
「あ…ごめんなさい…私…聖知の母の澄香って言うの…ここに来る前に聖知から貴方の話は聞いたわ…正直…びっくりしたわ……あの子が…」
「どいうことだ……」
「瑛一さん…貴方はちょっと黙ってて……。」
その女性は黒髪に大和撫子って言葉が似合いそうなくらいの風貌をしていて瑛一さんとしばらく話すとにっこり笑い俺に近づいてきた。
正直…笑った顔が聖知とよく似ていて心なしかドキッとして言葉に詰まっちまう。聖知の母と聞くとどう見ても若すぎる風貌に信じられず驚いていると途中で話しかけてきた瑛一さんを一言で嗜めていた。