第34章 信頼の大きさ
「聖知に聞いて…笠松君のことがどれだけ好きかもわかったし……貴方が聖知の事をどれくらい大切にしているかもよくわかったわ……でもね……聖知をこのまま日本に居させるわけにはいかないの。」
「………それは…どうして……」
「……聖知は知らないけど……聖知には決められた婚約者がいて…このまま日本にいればいづれ結婚させられることになる。…私たちは…聖知の親として……それだけは絶対にさせたくないの……。だから……アメリカに連れて帰ろうと思ってるのよ……」
「ッ…!……それはアメリカに連れて行って解決する話…なんですか…」
「え…?」
聖知に決められた婚約者がいることに驚くが…薄々は感じていた…アメリカに帰る本当の理由を聞いて俺は拳を握りしめて臆することなく話を続ける。
「アメリカに連れて行って逃げても…根本的な解決にならないんじゃ…俺は…聖知には嫌なことは嫌って自分の口で発言してほしい。ずっと逃げ続けるんじゃなくて……今の現状と向き合って立ち向かってほしい。綺麗事かもしれねえけど…俺はそう思います…」
「…………」
「だから…聖知と約束した…1人でもう戦う必要ない…俺も一緒に戦うって……甘い考えかもしれねえけど…俺は…聖知の支えになりたいと…思っています…」