第34章 信頼の大きさ
「…なんだと……」
「…親のエゴですね……お嬢様を他の男に取られる事がそんなに嫌ですか…?…見守るのも1つの愛情だと思いますよ。」
「おい…今…なんて言った…?」
「良かれと思ってやってることが全て本人が望んでいることではないということです。」
「テメエ…」
「…殴るのはご自由ですが…暴力で解決できないことは昨夜…思い知ったはずでは…?」
「ッ…!」
「親のエゴ」と言われ、桐生の胸ぐらを掴み蔑むように笑われると拳を強く握る。俺が拳を強く握っているのを見て察したのか、まるで見ていたかのように昨夜の話を出されると「チッ…」と舌打ちをして胸ぐらを離す。
「お前には関係ねえ。俺は俺のやり方であいつを守る。」
そう言い捨てると如月家を出て車に乗り込み、スマホを確認すると聖知から連絡が来ていた。
昨日のあの様子なら…「会いたくない」、「話したくない」と返信が来ているかもしれないと思いつつ開くと、『17時に山白公園で』とメッセージが入っていた。
相変わらずの用事LINEにため息をつくが、話をする姿勢があるだけマシだと思い一旦ホテルに帰り、時間を潰してから約束の時間に間に合うように車で公園に向かう。
俺はこの時予想もしなかった…
聖知が来ると思っていると…公園で待っていたら……
そこに現れたのは、口論になった原因でもあるバスケ部主将の笠松幸男だった。
ーー瑛一視点終了ーー