第34章 信頼の大きさ
ーー瑛一視点ーー
妻の澄香と昨夜話し合ったことでの助言で3つの事を実践するように言われた。
①電話やLINEじゃなくて直接聖知に謝ること。
②アメリカに行く本当の理由を怒らず優しく丁寧に話すこと
③交際している彼氏のことを別れろ、悪口とか言わない。その人の事をどう思っているか穏やかに話をきちんと聞く。
ご丁寧に電話だけでなくメールで電話で話したことがそのまま送られてきて頭を抱える。
「③は絶対無理だろ……とりあえず……まずは…会う約束しねえとな…」
俺は翌朝、聖知に謝罪文を書こうとしてふと澄香の言葉を思い出して文字を消し用件だけ『昨日の続きの話がしたい。今日会えないか。』メッセージで送信する。
すぐに既読がつき返信を待っていると一向に返信が来ない。
「はぁ……まあ……仕方ねえな……」
返信が来ないことにため息をついてスマホを放置しシャワーを浴びて連絡がこないようならマンションまで行こうと思いホテルの朝食を食べに行った。
俺は朝食を食べ終わると、如月家へと車を向かわせた。
ーー日本 如月家ーー
「おい、桐生…俺の質問に答えろ。」
「瑛一様…何度も申し上げておりますが…ご訪問される際はご連絡をいただくようお願い致します。これでは何もおもてなしができませんので…」
「お前のおもてなしなんかいらねえよ。お前…聖知に付き合っている奴がいる事知ってんだろ……。なぜババアに報告しない…」
「それは…笠松様のことですか…?」
「やっぱりな……何を企んでるか吐け…」
「何も企んではおりません。お嬢様には私はお似合いの方だと思いますよ…」
「……は…?……そんなわけねえだろ……俺は認めねえ…」
「なぜですか…?」
「まだ子供の内に好きだの気持ちだけでは何も変えられないってことだ…」
「………そうですか……1つ申し上げるとすれば……
やはり…愚かとしか言いようがないですね…」
俺は、如月家に着くとノックもせずに執事室の部屋へと入ると執事が小馬鹿にしたようにため息をつき俺を出迎える。
やはり、聖知が付き合っていることを知っていてなぜババアに黙っているのかその真意を聞こうとしてもはぐらかされる。