第34章 信頼の大きさ
翌朝、朝練が終わり授業が始まる10分前に父からメッセージが届いた。
『昨日の続きの話がしたい。今日会えないか。』
私はメッセージを返さずにスマホを閉じて昼休みに笠松先輩に相談するため既読にしたまま放置した。
ーー笠松視点ーー
どうやって話せば…わかってもらえんのか…
いくら考えても答えなんて見つからなかった。
そもそも…「別れろ」と言われるくらいなら…話とか聞いてもらえるという確証もない。
聖知の手前…心配かけないように振る舞っていたが…
正直…付き合っている彼女の父親と話すことに…
緊張してないと言えば嘘になる。
聖知からアメリカでの話を聞いた時、交際を反対されるのは覚悟していたが……
いきなり別れろなんて言われると思わなかった…
俺は授業中考え事をしながら聞いていて、昼休みになると聖知との待ち合わせ場所に足を運んだ。
ーー笠松視点終了ーー
「父から……連絡きましたけど……どうしますか…」
「今日か……なら…17時に…山白公園…」
「……本当にいいんですか……やっぱり……」
「だから心配すんなって…昨日…決めたことだろ…?…」
「…………」
「話が終わったら連絡するから…マンションで待ってろよ…」
学食で昼食を食べ終わると笠松先輩に父から連絡がきた事を伝えると待ち合わせ場所を言い切る前に止めようとしても笠松先輩の意思は固くそれ以上何も言うことができなかった。
「17時に山白公園で」とだけメッセージを送信してスマホを閉じて顔を伏せていると、笠松先輩は手を繋いで元気づけてくれるように中庭を一緒に散歩して昼休みを過ごした。