第7章 花宮 真
帝光中学3年 冬
全中の試合も終わり私たちは部を引退した。
マネージャー業務も後任のマネージャーに引き継ぎを終えて冬のイベントでもある受験シーズンとなった。
「聖知ちゃーん〜一緒に帰ろっ?」
「うん!帰ろ。」
私とさつきちゃんは一緒に学校を出た。やはり、真冬の季節なので外は一段と寒かった。
「なんか、もうすぐ卒業なんてあんまり実感ないなぁ…」
「そうだね。受験勉強どう?たしかさつきちゃん桐皇学園受験するんだよね?」
「うん…本当はテツ君と同じ学校が良かったんだけど…あいつ…ほっとけなくて…」
「そっか……。」
「聖知ちゃんはたしか、海常高校だよね?」
「っ…しっ…!……ごめん…涼太がどこで聞いてるかわからないからっ…」
「え?まだ、秘密にしてるの?」
「うん、だってバレたら色々うるさいし…私ね…その学校に尊敬してる人がいるの。その人誰よりも人一倍責任感のある人でバスケに真剣に打ち込んでいるのがすごく……な…なに…?」
海常高校の話になると慌てて人差し指を立てさつきちゃんの言葉を遮った。
受験日が近づく中未だに涼太には話してない。
私が海常高校の話をしだすとさつきちゃんの目がうるうるしていた。