第33章 娘と父親
お父さんと別れてから、電車に乗っている中叩かれた頬がまだジンジンと痛む。頬を触ると熱を帯びているのがわかり電車の中で溢れていた涙が頬を伝う。
電車で帰ると連絡してから、お父さんからメッセージが来て開けると「マンションに無事着いたら連絡しろ。」と届いたのを見てスマホの電源を切った。
駅に着くと、涙を拭い 駅のトイレに立ち寄ると頬が赤くなっていてあまり人に見られたくなく駅から出ると手で隠しながらマンションまで走る。
走っているといきなり後ろから誰かに腕を掴まれて引き止められる。
「ッ…聖知ッ!」
「ッ…!?」
「…ッ…!…何か…あったのか…」
息を切らせた笠松先輩に腕を掴まれていて、何でここにいるのかわからず再び抑えていた涙が溢れてきて持っていた鞄を落とし笠松先輩に抱きついてしがみついて泣いてしまう。
「どうした…?」
「ッ……」
しがみついたまま泣いていると何も言わない私を笠松先輩は優しく抱きしめてくれた。
「ごめんなさい……」
「謝んなよ……ほら……」
あれから、泣きながら父と口論になり引っ叩かれたと話すと笠松先輩は頬が腫れているのを見て自分の家に連れてきてくれた。
笠松先輩の部屋に入ると腫れている頬にタオルで包んだ氷をもらい頬に当てて腫れを引かせるように押し当てた。