第32章 再会
「…よく覚えてるぞ…お前のことは…鮮明になッ…!誰がパパだッ…前にも言っただろッ…お前にパパなんて呼ばれる筋合いねえよ!」
俺は黄瀬というチャラ男の前に立つとピキピキマークが浮き出るほど苛立ち相手の頭を鷲掴む。
「ッ…いッ…痛いじゃないっすか!」
「うるせえッ!…気安く人の娘を呼び捨てで呼ぶなッ!」
「ん……瑛一…もしかして…娘というのは…マネージャーの水瀬のことか…?」
「…は…?」
ーー瑛一視点終了ーー
一方その頃…
ーー特別授業 講義室ーー
「水瀬、この問題を解いてみろ。」
「はい…。」
講義を受けていて講師から問題を当てられると黒板に回答を書いてく。
そんな最中体育館で父親が来ているとも知らずに…
ーー瑛一視点ーー
「なるほどな……」
あの後、聖知がバスケ部のマネージャーをしていることに信じられずバスケ部の部員名簿を見ると同姓同名の名前を見つけ驚嘆した。
俺と同じ海常に入っていたことも驚いたが…
何よりバスケに関わっていることに…
聖知はバスケのこと恨んでいると思っていた…
俺は武内先輩に名簿を返すとどうしても今日中に聖知と話す必要があると改めて思い現海常高校の部員メンバーに激励の挨拶をして士気を高めた。
ーー瑛一視点終了ーー
ーー笠松視点ーー
「あの…水瀬さん…?」
「ん…瑛一さんでいいぜ…なんだよ…」
「いや…聖知ちゃんからは瑛一さんの話とか何も聞かないからかなりびっくりしちゃって……」
「………聖知はしねえだろうな。……だからと言って…俺からの連絡を無視するとは…後で説教しねえとなッ…」
聖知の話を聞いて父親がNBA選手とは聞いていたが、思ったよりもこんなに早く会えるとは思わず、森山が聖知に関する話を瑛一さんに振ると一瞬悲しげな表情を浮かべるもすぐに怒りに変わっていた。