第32章 再会
「…お前……たしか…」
若干、否かなりイライラしながら聖知の中学の入学式のことを思い出した。
ーー帝光中学校 入学式回想 当日ーー
「お嬢様…車で送ります。」
「1人で行くからいらない。」
「いけません。道中に何かあったら困ります。それに、これは何回もお伝えしているはずです。この屋敷にいる間は私に絶対服従だと…」
「聞き捨てならねえ台詞だな。いつからこの家は執事の方が上になったんだ?聖知は俺が行き帰り送る。それで文句ねえだろ。」
聖知の中学の入学式に合わせて日本に帰国して如月家の屋敷へ向かう。
勝手に入ると桐生と聖知のやりとりの会話が聞こえて桐生が聖知の腕を掴んでいるのが見え咄嗟に自分の方に抱き寄せる。
「では…きちんと送り届けてくださいね?」
相変わらず聖知を物言いな言い方に苛立ちながら屋敷を出る。
「聖知…日本での生活には少しは慣れたか…?」
「………ごめん……1人にしてほしい…」
「…聖知……」
中学までの道のりを歩きながら聖知に話をしても、ずっと俯いたままで1人で先に歩いて後ろからついて行った。
ーー帝光中学ーー
「…聖知っち…?」
「………?」
「やっぱり聖知っちじゃないっすか!」
「……だれ…?」
「えッ……覚えてないっすか…?…ほら、小さい頃よく遊んだじゃないっすか…」
「小さい頃……?」
「ほら……幼稚園とか、公園でよく夕方まで遊んだじゃないっすか!」
「………涼太くん…?」
「涼太でいいっすよ!同じ中学にいるなんて夢にも思わなかったす!」
帝光中学につくと聖知は頭の黄色いガキに絡まれていた。
よく見れば、日本にいた頃近所に住んでたあのガキに似ている。
聖知も思い出したみたいで聖知の手を握っているのが気に食わねえ…
「おい、ガキ…」
「あ…聖知っちのパパも久しぶりっすね!俺、記憶力に自信あるからすぐわかったっすよ。」
「誰がパパだッ…お前にパパ呼ばわりされる筋合いねえよ!」
俺は苛立ちながらパパ呼ばわりするガキに苛立ちながら説教した。
ーー回想終了ーー