第32章 再会
ーー瑛一視点ーー
「武内先輩、久しぶり。」
「ん…誰だ…?」
「なんだよ…俺だって……忘れちゃったのかよ…」
「お前…まさか…瑛一か…?な……何やってんだ…ここで…」
「もうすぐ日本で試合があってね……早めに帰国して…娘に会いに来たら連絡無視されて…帰国がてら挨拶に来たってとこです…今監督として武内先輩が海常いるって聞いて…様子でも見ようかなっと。」
「そうか…久しぶりだな…お前の活躍はうちのOBの中でも伝説級に有名だぞ…せっかく来たんならバスケ部に顔出してくれないか?いい刺激になる。」
「まぁ…いいですけど……ただ…娘から連絡きたら行きますけどね…」
海常高校に到着すると職員室に向かう途中に現役の時と体型が大幅に変わっていても当時練習で世話になった先輩の顔を忘れることはなく声をかけると俺が誰か認識していなかった。
サングラスを外すと俺が水瀬瑛一だと理解し懐かしく感じていると一緒にバスケ部へ激励へ行くことになった。
しかし、俺がいた時と比べて…
施設が新しくなったり設備が増築されている箇所があり…
俺も歳取ったなと改めて思い新施設の一つである綺麗めの体育館へと入って行く。
「今日は、練習の前に紹介したい奴がいる。うちのOBで現在NBA選手兼監督を兼任して躍動している。もうすぐ日本で試合があるため今回は早めに帰国してわざわざ挨拶に来てくれた。その経験や実力からは普段の練習からは学べないこともたくさんあるだろう。ぜひ機会を逃さず糧としてくれ。」
「名前は、水瀬瑛一。母校に来て改めて思ったが…」
「あれ……もしかして…聖知っちのパパじゃないっすか?」
体育館に行くと俺の時以上に部員数はかなり多かった。そんな中でも海常高校バスケ部の主将は一発でわかった。面構えが他の部員と段違いで違っていてあんま認めたくねえけど俺の若い時に似てるとほんの少し感じた。
そんな中、サングラスを外して話そうとすると、俺が1番連絡を待っている娘の名前を軽々しく呼び捨てで口にする中学の時に見かけた覚えのあるチャラ男が俺を見て「パパ」と呼びやがった。