第32章 再会
「……日本に来てるんだ…」
授業の合間の休み時間スマホを確認すると自分の父親から連絡が来て帰国したというメッセージが入っていて驚く。
長い間会っていなくて返信をどうしようか迷っていると授業が始まり返す暇もなく返信はせず既読したままスマホをなおした。
ーー瑛一視点ーー
「既読スルーかよ……」
朝に送ったLINEは既読がすぐについて返信を待ってみたが日中になっても返信が返ってこない。
全然会ってないから…もしかして…会ってくれねえとか…か…
それか…もしかして…親がうざいとかいう…反抗期か…?
関心自体がないとか…そういうことか…
返信がないことにモヤモヤしていると頭を抱えウジウジしても仕方ねえと思い聖知から返信が来るまで自分の母校である海常高校へ挨拶に行くために車で向かう。
ーー瑛一視点終了ーー
「あれ…聖知っち…部活行かないんすか?」
「今日、特別授業の講義があるからそれ受けてから行こうと思って…笠松先輩には伝えてるからまた後でね。」
「マジっすか…俺には絶対無理…」
私は専攻している科目の特別授業の参加のため部活に遅れて参加することになり涼太に手を振り授業をするための教室に向かう。
ーー笠松視点ーー
「あれ、黄瀬…今日聖知ちゃんは…??」
「あぁ…なんか…専攻している科目の特別授業があるとか…なんか…ガロア理論…なんとかっていう…それが終わってから来るって言ってたっすよ…」
「なんだ…それは…?……そうか…じゃあ誰を糧に練習したらいいんだ…」
「自分のためにやれよッ…腑抜けた練習すんならシバくからな。」
「…そんな事言って本当は1番寂しいのは笠松なんじゃないか…授業中もずっと上の空だしな…」
「あッ…!?…なんか言ったかッ…!」
朝一緒に聖知と一緒に家を出てから放課後の部活は特別授業があるから遅れると聞いた。案の定、森山は寂しいだの、やる気が出ねえだの…俺が聖知と付き合ってるって知ってもそれは全然変わらず森山が聖知を口説いている様子を見てイライラする。
そんな中監督から「集合」という掛け声がかかり集まると監督の横に見知らぬスーツ姿にサングラスをかけている男が立っていた。
ーー笠松視点終了ーー