第31章 お泊まり※
「……ッ…できる事なら…そうしたいですッ…でもッ…」
「1人でやれなんて言ってねえだろ……俺が力になる……俺が支える…いつも言ってんだろ…もう1人で戦うな……俺も一緒に聖知と戦う……俺はもう離す気なんかねえからな…」
笠松先輩に確信をつかれて考えても祖母に勝てる気なんてしないと思い目から涙が溢れてくると笠松先輩にギュッと抱きしめられる。
笠松先輩から「1人で戦うな」と言われると私の肩から重荷がなくなって軽くなるように感じた。
ずっとアメリカにいる時から、日本に来ても私は1人で我慢して言われるままこなして誰にも心を開かず1人で耐えてきた。
父や母にも頼る事なく今まで頑張ってきた…
ずっとこの先もそうするつもりだったけど……笠松先輩の言葉にもう1人で頑張ることに限界を感じていたのかもしれない。
「ッ……私……本当は…毎日つらくて……いつか…またアメリカに連れ戻されるんじゃって…思って…ッ……本当は怖くてたまらないッ……もう…戻りたくないッ……」
「……………」
私は堰を切ったように笠松先輩の胸元でしがみついて泣き出した。
そんな私を何も言わずに抱きしめたまま泣き止むまで笠松先輩は優しく頭も撫でたりしてくれた。