第31章 お泊まり※
「っていうことが5年くらい続いて…日本に帰ってきた感じです……火神君の事を思い出した時は1番辛い時期だったので…かなり感傷に浸っちゃって…それで…ちょっと落ち込んでしまって……でも…ッ…」
「…………」
私の話を笠松先輩は黙って聞いてくれてアメリカでの話を終えた頃には1時間くらい経っていた。今は気にしてないと話しようとすると笠松先輩に優しく抱きしめられる。
「………つらかったよな……俺には…想像も…できねえが……正直驚いた………今はつらくねえのか…?」
「……つらくないと言えば嘘になります……私が今1人で暮らしているのも…如月家の家に居たくないのである約束交わして一人暮らしを許してもらっています。」
「約束…?」
「学勉の成績を一切下げないことです。少しでも下がるようなら家に戻る約束をしています。」
「そんなのおかしいだろッ……聖知はそれでいいのか…」
「……そうでもしないと…あの家を出れないんです……もう…外に出れない生活になるのだけは……」
笠松先輩は優しく頭を撫でてくれて私の心配をしてくれるだけですごく嬉しかった。今も、抱きしめてくれるだけすごく心が落ち着く。
一人暮らしの話をすると笠松先輩は納得いかない顔をするがまた、隔離されるだけの生活には戻りたくない思いで顔を俯かせると笠松先輩は私を離す。
「聖知…つらい気持ちは俺は…すごくわかる…だがな……厳しいこと言うが…今のままじゃ何も変わんねえぞ。」
「…………」
「家にいるのが嫌で1人で暮らしても…心の内は離れられてないんじゃないか……話なんて通用する相手じゃないって言うのも痛いほどわかる……でもな…嫌な事は嫌って言え…自分を偽ってまで自分の人生を犠牲にする事ねえだろ。」