第30章 アメリカーー過去編ーー
ーー3ヶ月後ーー
その後…父と母は、一緒に暮らしてるけど…父はNBA選手として前から家にいる事が少なくこの屋敷に来てからも留守でほとんどいなかった…
母も祖母のサポートとして帰ってくるのはいつも深夜…
日中はスケジュールで管理されていて祖母と執事と私の3人での生活だった。
父と母が来てからは座敷牢みたいな部屋から出されて今は普通の部屋へと移動してもらったけど…相変わらず外には出してもらえない…
そんな日がしばらく続いた…ある日…
事件が起こった。
私は高熱を出してとても勉強なんてできる状態じゃなかった。
でも、祖母はそんな理由で許してくれるはずもなく高熱状態で勉強をすることを強要した。
その事を父と母が知ることになり、夜中に祖母と父と母が大喧嘩を始めた。
「何考えてんだッ!…聖知を殺す気かッ!やっぱり強要してんだろッ!」
「お母さんッ…明日は休ませてッ…聖知はまだ子供なのよッ!」
「だから今、桐生が看病してるわよ、医師にも見せたし…子供のうちに休むこと覚えさせるわけにはいかないわよ。」
「あんたなぁッ!」
「ッ……もうやめて……」
夜中子供が寝静まっている中3人のいがみ合う声が響くなか顔を赤くした高熱を出している聖知がよろけながら部屋に入ってくる。
「私……ちゃんと……するからッ……もう…私のことでッ……喧嘩ッ…しないでッ…」
「聖知…ッ…!」
母親である澄香が聖知を抱き留め8歳の娘にここまで無理をさせてしまっていることに対して罪悪感を感じ抱きしめる。
「貴方たち…小さい子供にここまで心配させるなんて…親として失格じゃないの…?」
「ッ………」
「奥様…お預かりします…」
桐生が部屋から出ていった聖知を追いかけて澄香から受け取ろうと手を伸ばすと父親である瑛一は手を払いのける。
「物みたいに言うなッ…!」
自分の娘を妻である澄香から受け取ると自分で部屋にベットまで運ぶ。