第30章 アメリカーー過去編ーー
ーー回想視点ーー
私の父と母は高校で出会いお互いに愛し合って結婚した。
でも…その結婚は祝福されたものではなく周囲の大多数は最後まで反対されていた。
母は日本有数の財閥如月グループの1人娘として決められた婚約者がおり、祖母に猛反対されていたが反対を押し切って父と結婚した。
結婚後、私が生まれて私が小1になる前に父がNBA選手としてアメリカに行くことになりそれを期にアメリカに移住することになった。
それまでは、「如月家」のことなんて知らなかったし…祖母の存在も知らなかった。アメリカの空港についたら待っていたのは、知らない女の人…
ーー空港 アメリカーー
「ッ……お母様……どうしてッ…ここに……」
「……それが……貴女の娘…?…名前を聞いてもいいかしら……」
「…聖知と…いいます…」
「そう…聖知ね……親が娘を出迎えたらいけないかしら……何はともあれ…あの男との結婚を許したんだから…アメリカに帰って来るなら…如月家に来なさい…どうせ瑛一さんは、しばらく帰らないのでしょう?」
「…………瑛一さんに相談します。」
「…お母さん……?」
空港に着くと女の人と黒いスーツに身を包んだ人がズラリと並んでいて当時子供の私にはその人たちが怖くて母にしがみついていた。
特に、初めてみる祖母の鋭い氷のような目つきが怖くて母にしがみついていた。
数日後…
あれから…母は祖母の元には行かずに違うマンションを借りて私と2人で暮らしていた。たまに父が帰ってきてよく一緒に寝てくれたり遊んでくれたり楽しい一時を過ごしていた。
でも、そんな幸せは長くは続かなかった…
私は、如月家の知らない人に学校帰りに攫われて屋敷に閉じ込められた。
連れて行かれたのは座敷牢みたいな部屋で待っていたのは冷たい氷のような表情をした祖母だった。