第30章 アメリカーー過去編ーー
「お邪魔しまーす…」
学校の試験が終わると笠松先輩と一緒に帰り先輩の家に着くと中へと入る。
手を繋いで帰る所をちょうど森山先輩が見ていて笠松先輩に何か話していて会話は聞こえなかったけど笠松先輩は顔を赤くして森山先輩をシバいていた。
「俺の部屋、2Fの左だから先行って適当にくつろいでろよ。飲み物持って行ったら直ぐ行くからよ…」
「あ…わかりました。」
2Fに行くと部屋が3つあり、左側の部屋へと入ると笠松先輩の部屋らしくバスケットボールやバスケ関連の装飾品やギターなどインテリアとして飾られていた。
笠松先輩らしい部屋だなぁーと思いながらテーブルの前へと座って待つと笠松先輩が部屋へと入ってきた。
「あんま、面白みのねえ部屋だろ?」
「笠松先輩らしい部屋ですね。」
「そうか…?…名前……今は2人っきりなんだから…名前で呼べよ…」
「あ…///…は…はい…///」
笠松先輩はコーヒーを淹れてくれて笠松先輩の部屋の感想を言うと私の手を優しく握りしめて名前で呼ぶよう言われると久しぶりすぎて恥ずかしい気持ちになる。
「じゃあ…この間…話出来なかったことなんですが……」
「ぁあ…ゆっくりで時間かかってもいいから…全部話せよ…」
手を優しく握りしめたまま笠松先輩は真剣な表情で見つめられると不思議となんで話せなかったのかわからないくらい落ち着いていくのがわかる。
「まず…私が落ち込んでいたのは、火神君に何か言われたとかじゃなくて…火神と出会った時の事を思い出して…その当時の事を思い返して私が感傷に浸っていただけなんです。」
「なんで落ち込んでたんだよ……」
「私……小2から小6までアメリカに居て…当時家がすごく厳しくてほとんど家の中に隔離されていたんです。」
「隔……離…?」
「はい…小6までほとんど外には出してもらえませんでした……」
「親にされていたのか…?」
「…いえ……今から…話す事は……幸男さん以外に誰にも話した事ありません……とても…信じられないかもしれませんが……でも…事実なんです…」
「………わかった……」
私はかいつまんで話をしようとしてもやはり最初から話さないと伝わらないと思い意を決して話すことにすると笠松先輩は握っている手をギュッと握りしめてくれた。