第29章 喧嘩
午後で試験が終わり…帰ろうとしたが、聖知のクラスにまで足を運んだ。試験が終わり、帰宅している生徒がいるなか黄瀬が廊下に出てきた。
「あれ…笠松先輩…どうしたすっか?」
「いや…聖知は…いるか…」
「…聖知っちなら帰ったっすよ……」
「そうか……わかった…」
「笠松先輩……聖知っちの事どうするつもりなんすか……聖知っち…ずっと授業中もボーとしてて…何回聞いても何も言ってくれないし…」
「……お前に話す事じゃねえだろ…じゃあな…」
俺は黄瀬から聖知の話を聞くと、まずは話をすべきだと思いその場から立ち去り聖知のマンションへと向かって行った。
「…………」
いざマンションに入ろうとすると足がすくむが…聖知の部屋まで行くと意を決して呼び鈴を鳴らした。
マンション内はシンと静まり返っていてまだ聖知は帰っていないようでため息をつき、時間をずらしてまた来る事にしてマンションを後にした。
家に帰り明日の試験勉強をするが身に入らなく、スマホで聖知に電話をかけてみるが繋がらなかった。
夕方になり、再び聖知のマンションに行き再び呼び鈴を鳴らす。
が……聖知が出て来る事なく1回目きた時同様…静まり返っていた。
「なんで…いねえんだよ…」
最初に来たのは16時で、今は18時30分…
学校が終わってから3時間もたっているのにまだ帰っていない…
俺は嫌な予感がして再びスマホで聖知に電話をかけるが繋がらない。
まさか……そんなわけねえよな……
この間、花宮にあった時のことを思い出して花宮の嫌な言葉が頭をよぎり俺はマンションを出て暗い夜道の中無事な姿を確認するまで安心できなくて聖知を探し回った。
ーー笠松視点終了ーー