第29章 喧嘩
ーー笠松視点ーー
………あんな事言うつもりなかった…
もっと…寄り添って聞くべきだったのに…
何も話してくれない聖知に苛立っちまって…
冷たい態度を取ってしまった……
俺は公園を出て自分の言った事にすぐに後悔して再び公園に戻っても聖知はいなかった。
まぁ…好きにしろって……言ったのは俺だけどよ…
聖知がいないことがわかると俺は、その日は家に帰った。
ベッドに寝転がりスマホを出して聖知に連絡しようと思ってはいても言葉が見つからず結局連絡ができなかった。
その後、部活で会う事はあっても何て言葉をかけたらいいかわからず聖知と話すことができないまま1週間たっていた。
「おい…笠松…」
「………なんだよ…」
「最近、聖知ちゃんと話してないみたいだが…喧嘩でもしたのか?」
「…………」
「もしかして別れたのか?」
「ッ…勝手な事言ってんじゃねーよ!…ちょっと…話してないだけだッ…」
「話って…どれぐらいしてないんだ?」
「………1週間くらい…」
「俺が言うのもなんだが…長引いたら修復できなくなるぞ…」
「ッ…うるせえな…」
「今日から中間考査だろ…部活でも会えないし……いいのか…?」
「…………」
今日から中間考査。
聖知と話す事がなくなり、森山や黄瀬からも聖知の事について同じことを聞かれた。話さないといけないことはわかってはいても…いざ目の前にすると俺は、考えないように練習と勉強に没頭していた。