第28章 練習試合
練習試合が終わり、誠凛高校を見送っているとテツ君が私に近づいて話しかけられた。
「聖知さん、久しぶりに会えてよかったです。そういえば、火神君と本当に知り合いだったんですね。」
「うん…久しぶりにテツ君に会えてよかったよ…小学生の頃だから…あんまり…曖昧だったけどね…」
「………そうですか……」
「よし、帰るぞ。」
私は火神君の話になるとどうしても過去の事を思い出してしまい無理に愛想良く笑みテツ君に話すと誠凛の主将の先輩の声で一礼してテツ君に手を振って体育館へと戻る。
ーー黒子視点ーー
「火神君…」
「なんだよ。」
「聖知さんになんの話をしたんですか?」
「は?昔のことだよ…なんだよ急に…」
「そうですか……」
明らかに最後の挨拶をした時、聖知さんは笑ってはいたけどすごく泣きそうな顔をしていた。
確かに火神君は聖知さんに
今日失礼なことをたくさんしていました←
でも…おそらく原因はそれじゃないと思います。
話を聞こうと思いましたけど……たぶん…僕では…
聖知さんは何も話はしてくれないと思います…
黄瀬君が言ってた…聖知さんの好きな人は……既に気づいてるようでした。
きっと…聖知さんの事を大事に…考えているんですね…
だから…心配はしてません。
僕は力になれない不甲斐なさを感じるも、海常の笠松さんの事を思い浮かべながら誠凛の先輩と電車で帰って行った。
ーー黒子視点終了ーー