第28章 練習試合
ーー7年前 アメリカ ロサンゼルスーー
当時私は8歳…
普通の女の子なら自由に遊び回ってる年齢…
私は如月家の本家の屋敷に英才教育のため隔離されていた。
日本にいた頃は普通の生活…自由に楽しいことをやっていた。
アメリカに来てからは生活が一変し父はプロのバスケ選手のため単身赴任、母は私の祖母のサポートとして毎日帰ってくるのは深夜で私はずっとひとりぼっちだった。
そんな中私の教育をしていたのは祖母で、すごく厳しくて、時間厳守、私が体調が悪くても高熱を出しても絶対に休ませてはくれなかった。
アメリカに来た当初は、そんな祖母のやり方に母と父は祖母と毎日、私の事で大喧嘩をしていた。当時の私には、何が正しくて何が良いのかわからないまま…大人しくいうことを聞いていれば喧嘩も少なくなり怒られることも少なくなっていくのが分かり従順に従っていた。
生活は起床から就寝時間まで、教養という名のスケージュールで埋め尽くされていて私の自由な時間といえば、午後から付き添い付きの散歩30分しか与えられていなかった。
「お嬢様……散歩の時間ですよ…」
「行きたくない…」
「いけません、外の空気吸わないと効率が悪くなって怒られますよ…」
「………」
散歩の付き添いはいつも決まって専属執事の桐生がついてきていた。
私は渋々体を起こして屋敷を出ると外は雲ひとつない快晴で良い天気だった。
「………」
どこにいくのか決めることなく歩いているとふとストリートバスケを見かけた。みんな楽しそうにバスケをしている姿をずっと見ていた。
「お嬢様…そろそろ行きますよ…」
「ねえ…なんで…私は1人で外で遊んではいけないの…?」
「また…その質問ですか…その質問、紅羽様の前ではしてはいけませんよ…下手すればこの外出時間もなくなります。」
「…………」
いつも思う。外で遊んでる子と私は何が違うのだろうと…
いつも質問しては疑問を抱いて考えないようにする…その繰り返し…
ストバスから離れようとした時、それはまさに起きた。
ふと顔を上げると私の顔面にバスケットボールが飛んできて直撃した。